手を彫った。

 

手は顔の次に感情を表す部分だと気がついたのは

2年前に「白い時間」展で何かの行為に没入する人物像を彫っていた時だった。

それ以来、ある意味、手を彫る事と顔を彫る事が同列になり

表現したい感情や表情はひとつに込めればよかったので

人物像は顔を彫れば全身を作らずとも満足だった。

しかしどこかで手を、手だけを彫ってみたいとそう思っていた。

 

そして今回、顔を彫るように手を彫ってみた。

顔と同様に複雑な作りで、指先ひとつの方向で表情が変わってしまう。

緊張と対話。

これはまた奥深い。

 

パリでロダン美術館を訪れた時に、恐くて全身など見れずに

ただただ手だけ見ていたのを思い出した。

それだけでも圧倒的な彫刻だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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