小屋の改装を昨年末から始めて約一ヶ月半。
2月8日に第一期改装期間を終えてアトリエをこの場所に移した。
改装記が04なのにもう最終回となってしまい
本来ならばこまめに記録を残していく予定が現場仕事に追われる毎日で
肉体労働のあとにパソコンに向かう気力がなく
ただただベッドにダイブする日々だった。
作業をしていると予定外のことが次から次へと出てくる。
床も柱も天井も、水平垂直の訳がなく窓や扉はすんなりとは入ってくれない。
理想のグレーはホームセンターには並んでいないのでその都度、色を混ぜて作った。
一つの部分が出来上がると、その周りの部分に違和感が発生してくる。
理想と現実との距離に途方もないものを感じながら
今回はどこまで追求するのかを手を動かしながら線引きをしていく。
この家の何を残して何を削るか。
それは木彫をするときの感覚と同じだった。
自分とこの家との違和をできるだけ取り除いていくこと。
澱みなく流れていくということ。
光も風も時間も絶えず留まらず
新鮮なものがやってくるということ。
そんなことを考えながら、この家に手を加えていった。
密かにこの場所を 白雨 と名付けることにした。
明るい空から降る白い雨は
乾ききった砂埃の舞う大地を静かに潤し
留まらずに流れ過ぎ去って
澄んだ新鮮な空気を後に残してくれる。
この場所での新たな制作がそんなものになればと願っている。