原宿のスタイルハグギャラリーでの個展は本日で終了いたしました。
お越しいただきました皆様、ありがとうございました。
今回の展示では燈台や帆船、小屋や人物を主なモチーフに選びました。
荒涼とした大地に生きる人々の、自然の猛威に晒されながらも
心に絶えず燈を携えて、日々の営みを粛々と行っている姿。
そのような精神性を自分に問いながらの制作となりました。
全ての作品において、満足のいく時間が持てた訳ではなく
光が見え始めるまでの闇の時間が今回は長く、気持ちも焦りながらも
じっとしがみつきながらの制作でした。
計画的に時間割を組み、それ通りに作れれば何も問題ありませんが
そうして作ったものはどこか魅力がなく、新鮮味が感じられないので
敢えてそこから外れ、混沌に向います。
羅針盤の利かない荒波を、ぐるぐると同じ場所を廻り続けながら
這いずるようにしてでも光を得たいと僅かな明るみに向って木を彫りました。
木を彫っていると迷うことが本当に多いです。
どこを彫ったらもっと良くなるのか、どこで終わりなのか、分かりません。
分からないけれど、決断はしなくてはいけない。
たとえその決断が間違っていて、結果的に美しいものにならなかったとしても
ひとつひとつ決断していく。
そのことが今の僕にとっては少しでも前進するために大事で
それを何回も何回も重ねながら無意識のレベルまで染み込ませていくこと。
それが大事ではないかと今回の制作で感じました。
今年の個展はこれで終了となり、年内はいくつかのグループ展に装身具を出品します。
また来年の展示会でもどうぞよろしくお願いいたします。