二人展
ギャラリーnoir / NOKTA
2019.9.7 - 9.22
道東へ



釧路湿原の雄大さは僕にはとても計り知れない。

山手線がすっぽりと入る広大な面積を持ちながら

4000年の間この風景を保ち続けている類稀な湿原。

地形、水の流れ、動植物の活動、気候。

自然界のあらゆる要素が調和し循環することで

この湿原は森にならずに湿原として生き続けていることを知る。


湿原の中を大きく蛇行しながら流れる釧路川。

その川をカヌーでゆっくりと下りながら自然の神秘に触れてきた。












なんて静かなのだろう。

これほどの静寂は経験したことがない。

自分たちが音を発しない限りこの世界に音は存在しない。

そう思える程の静寂に包まれる。


川の脇にはネコヤナギが垂れ下がり、奥にはハンノキが生い茂る。

この日は風もなく、小雨が降り、薄っすらと霧がかかっていた。


音のない世界の中でしばらく舟を漕いで行くと

静寂を破るタンチョウの声が辺りに響き渡った。

野太い声だった。

その姿は声とは裏腹に端正で優美さを携えている。


タンチョウの姿に見惚れていると後ろにはエゾシカの親子。

僕たちに気がついても逃げる様子もなく草を食んでいる。

人が自分たちに危害を加える生き物ではないことを知っているから

ここの動物たちは逃げないのだと教わる。


いま僕たちは湿原の一部になっている。
















何も言葉にできない。



4000年の時間の上に浮かび

霧のかかる湖に映るものをただ見ていた。


















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