solo exhibition @ CAFE DU GRACE [ 岡山 ] --- 2017.10.14-10.22
水源

 

 

 

残雪の信州。

大いなる水の循環を見る。

屹立する山々に積もった雪は

ゆっくりと時間をかけて解けていく。

雪は水に変わり、地中へと染み込む。

そこから重力によってじっくりと時間をかけて平地へと移動する。

いま僕の立っているこの地に湧き出している水は

半年前にあの山々に積もっていた雪だという。

時間と重力の偉大さに心を打たれた。

 

 

 

 

 

白い雪は白い花に姿を変える。

この山葵(わさび)の花はこの地に湧き出している

自然の湧き水のみで育っているという。

山葵が育つために必要な養分と酸素は

水が地中に潜っている際に腐葉土から吸収したもの。

その湧き水のみで2年間かけて育った山葵を味わうと

山塊の凛とした澄んだ香りが身体の中に染み込んでいくようだった。

 

 

 

 

 

 

 

水草が絶えず揺れている。

タルコフスキーのソラリスを思い出す。

人間の潜在意識の中にある一部の記憶を具現化してしまう高度な知の海ソラリス。

蓋をしておきたかった自分の醜い部分をあらわにされた人間の心理を描くSF映画だ。

人間は知の海に対して何も為す術がない。

タルコフスキーの映画には必ず水が象徴的に登場するが

水という存在は多面的で流動的で大きな魅力に溢れている。

生命のはじまり。時間や重力の象徴。大いなる循環。

空から落ちてくる一粒の雨にさえ壮大なものが乗っている。

 

 

 

碌山美術館も白骨温泉もいい場所だった。

彫刻も温泉も素晴らしかった。

しかし、たまたま立ち寄った山葵田の湧き水に心奪われてしまった。

偶然はずるい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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